2010年2月12日金曜日

3分の1

入院している患者さんにとって、1番欠かせないものって何でしょう?

きっと色々な答えが返ってくると思いますが、今回は『病院の中にある物』限定で。

今日はその『欠かせない物』の中で、ダントツの『ベッド』について発信したいと思います。

活動先の病院のベッドは、ご覧のようにかなり年期の入ったベッド。
↓鉄製のスプリングの上に固い板。その上にぺっしゃんこになった布団。
中には板さえ引かれていないベッドも・・・。
ボルトも劣化し、今にも壊れてしまいそう・・・。

『こんなベッドで怖くない?痛くない?ちゃんと眠れる?』・・・と聞くと、
『大したことないわ。大丈夫。』・・・と少し悲しげに笑う患者さん。
この時、私にはとても悲しげに見えたんです・・・。
ひょっとしたら、こんな質問するべきじゃなかったのかな・・・。
発展途上国、モンゴル。
買いたくても買うお金がない。
そのことをモンゴル人は痛いほど分かってる。
この写真は先日小児科で出会った、患児とその付き添いのお母さん。
一見、普通の病室に見えるこの写真。
でもふと目線を他にやると・・・
これ、なんだか分かりますか?
実はここ、小児科病棟にある調理室なんです。
(今は使われていないですけどね)
小児科病棟はベッドが25床。
ですが冬は-30~40℃になるモンゴル。
冬季になると季節柄もあり、
『風邪・肺炎・気管支炎・気管支喘息・・・』などの疾患で沢山の子供が入院を強いられ、あっという間に満床(ベッドが埋まってしまう状態)になってしまうんです。
この写真を撮らせてもらった時は、患児数42人。
とうていベッド・部屋数が足りません。
ベッドは何とか離れの病棟から借りてきたものの、部屋数だけはどうにもなりません。
なので已む無く『調理室』に入院するはめに・・・。
人生のうち、『3分の1』が眠りにあてられていると言われていますよね・・・。
そんな中、病気のせいでしたくもない・慣れない入院生活を強いられている患者さんだからこそ、安心して眠れるベッド・環境を提供したい。
模索する毎日は続く・・・。

2010年2月11日木曜日

リサイクル

ここ数日風邪で寝込み、モンゴル医療事情レポートから遠ざかっていたので再び復活です!!
(お陰さまで私も何とか復活しました(笑))

早速ですが、この写真はわが活動先の病室の写真です。
この写真を見て、何かが足りない・・・。

そうです。病室ではお馴染みのカーテンがないんですね。
処置をする時も、着替える時も、何をするにしても全て丸見え。

『モンゴル人は気にしないのよ~』
・・・なんてスタッフは言ってましたが、やっぱり着替える時は恥ずかしい・・・と思うモンゴル人も多少なりともいる訳で・・・。

以前はこの病室の窓のカーテンすらなかったんです。
この写真だと分かりにくいかもしれませんが、現在は小さいながらもあるんですよ( ´ー`)ノ
じゃぁ、この窓のカーテンはどうしたのか?

先ずその前にこの写真を見てください!!



これ、点滴ルート(使用済み)の残骸の山(TOT)

最初この残骸を目にした時は、

『こんな使用済みの点滴ルートを何に使うの?まさか、また消毒して患者に再利用!?』
・・・と恐怖におののいていました。

『患者に再利用なんて・・・何が何でも阻止しなければ!!』

ですが、すぐ私の勘違いが判明しました。
そうなんです。お手製のカーテンを作るために必要だったんですね。
カーテンレールとして。

スタッフが古い布を持ちよってチクチク縫って作ってたわけです。
そのカーテンが窓のカーテンなんですね。
モンゴル人の工夫には毎回関心させられます。

日本の病院ではカーテンは殆ど外部業者が担当。
定期的にクリーニングに入ってくれますし、いつでも清潔な状態。

カーテン一つにしても、日本って本当に恵まれてる・・・。
ないものをどうやって生み出すか。

モンゴルに来たことで、あらためて学ばされることが沢山あります。

2010年2月8日月曜日

お金じゃ買えない風邪薬

先週初め、モンゴルに来て初めて体調を崩し、とうとう金曜日にダウン・・・(><)
風邪薬を飲み、寝込む週末。
だからといって、すぐ良くなるわけでもなく・・・。

週末は久しぶりに大雪が降り、外は見るからに寒そう。雪も沢山積もってる・・・(><)

身体は熱いし、喉は痛いし、だるくて何もできない・・・。

そんな時、オドさん(大家さん)から1本の電話が・・・。

『あや!!元気にしてる?今、何してるの?』

『オ・・・オドさん。私、風邪を引いてしまって・・・ゴホッ。』と声が別人みたいな私。

すると、
『やだっ、風邪引いたの?
薬は飲んだの?
食事は食べれてるの?
今、家なの?家にいるのね!?
じゃぁ、待ってなさい!!』

ガチャッ、プーッ、プーッ・・・。

確認も出来ないまま突然電話を切られ、更に朦朧とする私。

しばらくすると我が家の玄関を叩く音。
ドアを開けるとそこには大家さんが!!

『あや!!これを食べて温まりなさい!!』
・・・とモンゴル料理「バンシタイ ツァイ」をタッパーに入れて持って来てくれたんです( ´ー`)ノ
しかも出来立て・・・。
モンゴルの代表的な飲み物、スーテーツァイに水餃子が入った感じのお料理です♪

日本に住んでいた時の大家さんも優しい人だったけど、
『人が困っていたら、助けてあげたいの。力になりたいのよ。』
・・と言ってくれるモンゴル人も、とても優しい心の持ち主です。

更にその後、同期隊員Sチャンが肉じゃがを作って持ってきてくれてたんです。
わざわざ雪積もる道の中・・・。
肉じゃがの他に私の大好きなチョコやりんごも持ってきてくれて。

キットカット(しかもダーク味)が大好きなんですね、私(≧∇≦)
一人暮らしをして体調を壊すほど辛いものはありません。
しかもここはモンゴル。

でも、大家さん・同期の二人から物凄い効果のある風邪薬をいただいたような気がします。

だって昨日までPCの前にも座れなかったのに、今日はこうしてブログを書くことが出来るからヽ(´▽`)/

『人は人によって生かされる』
『人は人によって癒される』
『人っていいね、ありがたいね。』

あらためてそう思った週末でした。

私を支えてくれる全ての人に、心からのありがとうを。
日ごろの感謝をみんなに伝えたい、そんな月曜日です。。。

2010年2月4日木曜日

踊る

明日からの新たなセミナー開催に向けて、午前中に副院長さんにパワーポイントのチェックをしてもらいました。
副院長さんは『技術・質向上』に携わるマネージャーさんでもあるんですね。
なのでこの関門を通過しないとセミナーが出来ないわけで・・・。
←ちなみに、この方が副院長さんです^-^

その際かなりの誤字・脱字のご指摘があり、とても恥ずかしかったんですけど(><)、
『あや!これはとても素敵な資料ね!!』とお褒めの言葉をもらったんですヽ(´▽`)/

褒められて物凄く嬉しかった私は、一緒に資料を作ったICU師長さんに早速報告。
『アルターさ~ん!(←ICUの師長さんの名前デス)
今さっき副院長さんに褒められたよ~!!』

・・・とまるで幼稚園児がお母さんに言うかのように・・・(笑)

そしたら!!
アルターさんがつぶやいた。

『ねぇ、あや。私達で1冊の本を作らない?今後私達、沢山のセミナーをする予定でしょ?
セミナーだけで終わらせるのは勿体無い気がするの。これだけの写真を使った看護技術マニュアルがあったら、とてもいいと思うのよ。』

そのつぶやきを聞いた途端、私の心は躍ったヽ(´▽`)/
日本のように選ぶのに迷ってしまう程の看護雑誌は、モンゴルでは微々たるもの。
モンゴルの看護技術マニュアルは文字だらけで分かりにくい。
たとえ写真が掲載されていても、白黒・・・。
しかも現在院内にあるマニュアル内容はちょっぴり古い。いや、結構古いかな(><)

『誰にでも分かりやすい看護技術マニュアル本を作る=(イコール)患者さんに安全・安楽な入院生活を提供できる』

そうとなれば、俄然燃えてきました(≧∇≦)
アルターさんの提案のお陰!!

また1つ素敵な目標立案です♪
『年内中にマニュアル本を作るぞぉ!!』
・・・と言っても、先ずは本ってどうやって作るのかな・・・。
1冊作るのに費用はどれだけかかるんだろう・・・。
日数もどのくらい必要?

先ずはそこからリサーチですね(笑)
これから毎晩、本が完成するのを想像しながら眠ることにします( ´ー`)ノうふ・・・


アンパンマン

1月から9回にわたる『心肺蘇生法セミナー』を行ってきましたが、とりあえず今日で終了!!
最初は自分のパートのセリフがなかなか言えず(まぁ、そのお陰で場も和んだのですが(≧∇≦))、今後誰もセミナーに来てくれなかったらどうしよう・・・と不安でした。
ですが、ICUの師長さん・主任さんが毎回助けてくれたお陰で、院内全ての看護師さん達が参加してくれ、無事やり遂げることができました!!
それと、このお人形さん達にも助けられました。

ICU師長さんの娘さんからお借りしました♪
年末、セミナーのパワーポイント資料を作り終え、自信満々で看護部長に見せたところ、
「あや、乳幼児の場合の資料がないけど、どうするの?乳幼児の心肺蘇生法も組み込めない?」と言われ、急遽このお人形を使ってセミナーをしたからなんですね。

←このような感じで使用しました♪

あ、それと忘れてはいけない、
『アンパンマン』の曲にも救わたんです( ´ー`)ノ

『なぜ?』と思った方!!説明しましょう!!(笑)

心臓マッサージって1分間に100回のリズムで行うのがベストなんですね。
ですが病院にメトロノームがあるわけもなく、
『1分間に100回のリズムってどんな速さ?』と首をかしげる看護師達。

そこで思い出した!!
『アンパンマン』の曲がちょうど1分間に100回のリズムであることに(≧∇≦)

日本で心肺蘇生セミナーのインストラクターをしていた時も、
『アンパンマンを歌いながらやりましょ~!!』
・・・なんて言って教えてたんで( ´ー`)ノ

ICU師長・主任にセミナーの時にこの曲を実際にかけていいか・・・と聞いたら、
『ボロノー!!(いいよ!!)』と即答(笑)

今日は最終日。
普段より大きな音量で『アンパンマン』かけちゃいました☆

でもその効果?か、
みんなで心臓マッサージしてくれてますヽ(´▽`)/

早速明日からは『インサイト(点滴の際に使われる留置針)挿入セミナー』を開催予定。
1ヶ月1テーマのセミナーを行うための準備は正直大変ですが、
必ずセミナーが終わったときに言ってくれるんです。
『Bayarlalaa(ありがとう)』・・・と。
その言葉が私の原動力。
『ありがとう』・・・という言葉は魔法です。
たとえモンゴル語であっても。

2010年2月3日水曜日

七色


先週日曜日。
モンゴル・ウランバートルにて嬉しい『集まり』が。。。(´▽`)/

今回、JOCVモンゴル隊員『医療分科会』が発足し、第1回目の会が開催されたからです♪

今まで看護師隊員が私一人しかいなかったのですが、今年に入り看護師隊員が3名も増員!!
『医療分科会』に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・養護隊員が加わり、総勢12名と心強い大きなものに。

そして、この分科会を
『солонго~虹の架け橋~』と呼ぶことになりました( ´ー`)ノ
(『солонго』はモンゴル語で『虹』のことなんですね)

今年の目標は『虹』を見る!!・・・だったので、なんてタイムリーなネーミング。

去年の目標は『土を耕す』でした。
種を植えるための必要な作業。

『どんなに辛くても笑顔だけは絶やさずに。

そして元気に挨拶をする。

活動先の人達を知る。

そして、自分を知ってもらう。』

4ヶ月あまりに渡る作業を終え、
今年は活動先の人達とどんな種を蒔いて、どんな花を咲かせるか。

たとえ花が咲かなかったとしても、小さな芽だけでも出てくれれば。
その先に『虹』を見れれば。

『虹』を見るには必要なものが2つ。

『水』(困難)と『光』(努力)

『雨(水)』 ⇒なぜなら虹は「困難なこと」の後にしか見ることができないから・・・( ´ー`)ノ

雨は一人だけに降り注ぐものではないから。

だから大丈夫。きっとうまくいく。

知恵

今日は充実した1日でしたぁ~ヽ(´▽`)/
午前と午後にセミナーをしたりと忙しいのもあったのですが、モンゴルに来て初めて患者さん(意識のない・重症の方)の歯磨きができたからなんです!

私、患者さんを綺麗にするのが大~好きなんです♪

昨日、『あや、良かったら清潔ケアを看護師達に教えてくれない?』とICU(集中治療室)の師長さんから頼まれ・・・。
活動先のICUは立ち上げてまだ1年未満の病棟。なので重症の患者さんのケアの仕方を看護師達はよく知らないんですね。(まぁ、私も偉そうな事言える立場でもないですけど(><))

モンゴルでは写真のように木べらにガーゼを巻き、そのガーゼにイソジンを含ませてチャチャッと口腔内を拭う方法。

回数は1日2回。
歯磨きは1度磨いても磨いた時の綺麗な状態を保てるのは6~8時間が限度と言われていて、6~8時間経てば元の状態に戻ってしまう。
特に重症の患者さんは口からものを食べることが出来ないので、唾液が分泌されず細菌増殖を助長させてしまう。
その細菌が肺炎を起こしたり、その他感染症を引き起こしたり・・・。
特にICUなど重症患者さんがいる病棟は口腔ケア(歯磨き)が大切なんですね。
そして1日に最低3回必要!!

ドキドキしながらICUにいる重症患者さんのお口の中を拝見。

『うわぁ・・・。1日2回拭うだけだから、物凄く汚いなぁ・・・。口の中がカピカピ。痰がこびりついてる・・・。うぅ~、この口の中を綺麗にしてあげたい!!』

私の『患者さん綺麗好き魂』に火が着いた!!

でも、いざやろうとしても歯を磨くための物品がない。
まず、肝心の歯ブラシ・歯磨き粉がなく、口をゆすぐための水のみもない。
ガーグルベースン(ゆすいだ水を受け止めるお皿・・・と言えば伝わりますかね?)もない。
歯磨き後に口を拭うタオルもない。
乾燥防止口腔用ジェルもない。(ま、これは仕方ないと思いますが(><))

ない、なさすぎる・・・。
でも!だからと言って引き下がるわけにはいかない。
何が何でも磨きたい!!

家族に歯ブラシ・歯磨き粉・タオル・できたらワセリンを家から持ってきてくれないか・・・と頼んだら、
『オドーホン!!(今すぐ!!)』と言って、すぐ家から持ってきてくれました!!

家族を思う気持ちはどの国も一緒なんですね( ´―`)ノ

さぁ、口腔内をすすぐための水のみはどうしよう・・・。
『!!!』
その時、いい考えが思い浮かんだ♪
これ、なんだか分かりますか?
そう、使い終わったエコージェルの空瓶!(柔らかいプラスティック製)

去年、『これ、何かに使えないかなぁ・・・。』と検査科の方に幾つかもらっておいたんです( ´ー`)ノ
エコー検査する前にジェルを塗りますよね?(エコー検査をしたことがない方、分からなくてゴメンナサイ(><))
その時に使うものです。

これに水を入れてボトルの脇を押せば、先からチューっとお水が出る!!
よし!!!吸引器もあるし準備OK!!

『どうやるの?どうやるの?』 ・・・とICU看護師達が群がる。

『簡単だよ!こうやって歯ブラシと歯磨き粉があれば充分きれいになるんだよ!口が開かない場合はこうやってガーゼを噛ませてしまおう!!こうやって水を流して・・・。』
このような感じで、磨きながら指導させてもらいました。勿論ご家族了承の元で撮影しています(*^.^*)
歯磨き終了後は、ご家族が持ってきてくれたワセリンを乾燥した唇にひと塗り。
わぁ~い!!口の中も唇もピカピカヽ(´▽`)/
『え~、こうやってやるんだぁ!!』 
『簡単なんだね!!』
『ちょっとした工夫でこんなに綺麗になるんだね!!』と大絶賛。

いやぁ・・・普通だよ・・・普通~(><)・・・と照れてしまいながらも物凄く嬉しかった私。
だって、いつも患者さんの傍らで悲しそうな顔しかしていなかった娘さんが、
この時ばかりは『あや、ありがとう。』と笑ってくれたから・・・( ´ー`)ノ
こちらこそ、『ありがとうございます』・・・です。
患者さん、家族と関わる喜びをモンゴルで体験できるだなんて。
物が足りなくても、工夫次第で看護ケアはできる。
患者さん・家族から笑顔がもらえる。
やっぱり私はこのフィールドが好き。