あるところには医療機器が溢れてる。
▼首都において、この患児は呼吸器管理されていました。
自分で呼吸ができないので、気管に細い管を通し、機械によって呼吸管理されています。

わが活動先バガノール。呼吸器がありません。
しっかり10ヶ月、お母さんのお腹の中にいたとしても、出生体重が2000g以上あったとしても、
呼吸不全で生まれてくる赤ちゃんだっているんです。
もし、呼吸が止まってしまったら・・・。
助けたくても、助けてあげる事ができません。
『これって、どういうことなんだ?』
・・・と疑問に思い、NPO代表の方に尋ねてみました。
すると、
『あぁ、それはねぇ、リスクの高い新生児はどうしても首都に運ばれてくるでしょう。
だからどうしても優先的に首都に資金が回りやすいんだ。
おまけに、首都だと足が運びやすいし、実際にああいった小さい子達を見て、 援助したい!・・・と思う人がいるんだよ。』
『確かに。バガノールでもハイリスク妊婦は首都に運ばれてきます。
でも、他国からの援助資金が少しでも与えてもらえるようにと、
毎回・毎回バガノールの人達は草案(援助を受けるための申請書)を書いています。
却下されても却下されても・・・です。
首都の病院はその草案書を書いていない・・・と言うことでした。
この差はなんなんでしょう?』
『そう、そこなんだよ。彼ら達が援助に頼るばかりではなく、自立できるようにしなくてはならない。 それは、私達の今後の課題でもあるんだ。』
自立・・・。
一昨年までバガノールの病院では、新生児を診れる医師がいなかった。
”2008年 新生児死亡数8人 ”
命を救うために必要な医療機器は手に入らない。
だからと言って立ち止まるわけにはいかない。
そして一昨年、新生児専門医を首都から招いた。
その成果あってか”2009年 新生児死亡数4人”に減少。
半分に減ったけれど、やはり亡くなる命があるのが現状。
それも医療機器が足りないことによる死亡数。
彼ら達はその現状を痛いほど分かっている。
だからやむを得ず、ハイリスク妊婦は首都に搬送している。
首都と地方というだけで、こんなにも違いが生じるのか・・・。
先日チリで大地震があった際、待ちに待った救援物資がきたものの、物資が与えられたのは首都にとどまり、首都から離れている漁村などには全く救援物資が回らず、
『こんなの差別だわ!!』
・・・と住民が涙ながらに訴えていたニュースを見た。
なんだか他人事とは思えない。
色々な事を考えさせられた1日。
やはり技術提供だけでは、救えない命が存在する。
地方だって医療機器が必要。
地方だからこそ、必要なんだ。
訴えるだけでいいのだろうか。
更に何か出来ることはないのだろうか。
もう、死んでゆく子供を見るのは嫌だ。