2010年3月18日木曜日

現実

わが活動先のICU(集中治療室)には、
他国の支援物資による『輸液ポンプ』という医療機器があります。

▼これが『輸液ポンプ』


分かりやすく言うと、
前回お話しした『シリンジポンプ』の大きい版です( ´ー`)ノ

▼写真のように点滴台にぶら下がっているような点滴瓶を、医師から指示された時間通りに患者さんに投与する医療機器です。


ですがこのポンプ、今まで1度も使われていないんです。

『せっかくこんないい器械があるのに、何で使わないの?』・・・と尋ねると、

『使い方が分からない』・・・との返答。

『それはいか~ん!ただのオブジェになってるだなんて!!』

なので、すぐさま”ポンプ使い方セミナー”を行おうと決意。

ポンプは全て英語表記だったので、間違いがあってはいけないと何度も何度も動作確認を行うこと数十回。

ですが・・・

動作確認中に気付いてしまった。

この輸液ポンプに合った、輸液ルートがないことに。
そうなんです。規格が合わないんです。

院内にある輸液ルートはモンゴル製、または中国製。
アメリカ製のポンプの規格に合ったものではなかったんです。

院内中にある輸液ルートを片っ端からセッティングし、動作確認をしました・・・。

ですが、規格外のものを使っているため、
設定した時間通りに輸液したい量が投与できませんでした。

命を預かる現場で、そんな事があってはいけません。

必要な医療機器。

実際に目の前にあるのに使うことができない。
なんて切ない現実。

救援物資は使われてこそ意味をなすもの。
与えるだけではだめなんだ。

2 件のコメント:

  1. 使える人がいないだなんて・・・・
    でも規格があわないだなんで・・・
    なんの為にってなりますよね
    アヤも与ええるだけにならんでねぇ

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  2. >ジジ
    ジジの言うとおり。
    与えて終わり…だけじゃなく、その後のサポート・メンテナンスを現地の人が出来るまで行わなければ意味がない。
    私、頑張るよp(^-^)q

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