2010年2月25日木曜日

モンゴルへいらっしゃい

今日は思いもよらぬ汚水にまみれ、半泣きの状態でしたが、
先程、大家さんが心配して見に来てくれました。

汗だくになりながら床を拭いている私を見て、
一緒に拭くのを手伝ってくれたんです( ´ー`)ノ

しかも弟さんまで呼び出してくれて、
3人で一緒になって拭きました。

そしてどこで聞きつけたのか、病院のスタッフから

『あや!!今日は大丈夫だった?可哀相に・・・手伝いに行くよ!!』
・・・と激励の連絡。

ありがたいです・・・本当に。

あらためて
『人は人によって支えられ、生かされているんだなぁ。』
・・・と思いました。

更には郵便局から、
『あや~、荷物が届いているよ!取りにいらっしゃ~い!』
・・・と連絡があり、
行ってみると父からの救援物資が!!

その中には、溢れんばかりの日本食。
そして更には何が入っていたと思いますか?

なんと、去年の大晦日に亡くなった、
大好きだったじぃちゃんの遺影!!

▼私に優しく微笑んでくれています( ´ー`)ノ



『じぃちゃーーーーーーーーーーーん!!ヽ(´▽`)/』

飛行機に乗って、わざわざ会いに来てくれたんだね!
しかも初めての飛行機はどうだった?
海外だって初めてだもんね!!
まさか、モンゴルに来るだなんて思っていなかったでしょう?

じぃちゃん・・・・よく来たね・・・いらっしゃい。

今日の出来事が起きるのをまるで分かっていたかのように、
我が家にじぃちゃんが来てくれました・・・( ´ー`)ノ

『今日の出来事は厄払い!!
これからのモンゴルでの生活は、きっといい事しか起きないぞ!!』
・・・と私の背中を押してくれているようです。

自分に降りかかる全ての出来事は、必ず自分にとって意味があることで、
更には必ず自分で解決できる。

今日は色々あったけれど、自分の信念を思い出すことができた。

自分の中の埃を払うつもりで、汚れた壁・床の掃除をしたいと思います^-^

明日は2月最後のセミナー。悔いなくやるぞ~ぉ!!
じぃちゃん、見ててねヽ(´▽`)/

思いっきり泣いてもいいですか・・・

今日まで、数多くの試練を乗り越えてきましたが、
今日ほど衝撃的で大打撃を受けた出来事は初めてのような気がします。

実はバガノールに来てから今日まで、水道代を2人分払っているんですね。

・・・と言うのも、以前住んでいた方が2人暮らしだったそうで、
水道代の契約が『2人分』のままになっているわけです。
(モンゴルでは住んでいる人数に応じて、水道代が固定料金になっているんですね^-^)

なので、去年から大家さんに

『1人分の契約に直してくれないか?』
・・・と依頼していたのですが、1人分の契約はないらしく、(それも面白い話しですよね~)
なのでとうとう今日、待ちに待った、
使った水の量が分かる『メーター』を取り付ける工事があったわけです。

▼ちなみにこんなメーターです



このメーター取り付け工事は、台所・お風呂場に設置するとの事で2~3時間かかるらしく、
午前中に仕事を休み、大家さんと共に取り付けが終わるまで台所で談笑していたんですが・・・。

『あれ?オドさん。(大家さんの名前)
なんだか台所の下から水が漏れてきてる!!』

『あら、ホントね!これは言わないと!!
ちょっと、お兄さん(取り付け業者)!!ここ、水が漏れてきてるわよ!!』

早速、お兄さん、配管チェック。
テキパキと作業をこなす。
お~、さすがプロはやることが早いなぁ~( ´ー`)ノ

・・・と思った瞬間!!

「バキッ、メリッ、ブシャーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!」

我が家が一瞬にして噴水アトラクションショーに(゚〇゚;)!!

水が天井にまで噴き出してるーーーーーーーーーー!!

側に置いてあった全ての衣類・洗いたての洗濯物・食料などなどが、
更には業者のお兄さん、大家さん、そして私までもが、
みるみるうちに水に浸かっていく。

『あや~~~~!!タオル、タオル~~~~~~!!』

大家さんの声が遠くから聞こえてくる。
呆然と立ち尽くす私。

人間って思いもよらぬ出来事が突然目の前で起きると、動きが止まるんですね・・・('〇';)

『あや~~~~~!!早くぅ~~~~~~~っ!!』

やっと大家さんの声が聞こえた。

おっ、お~っ!!
物をどけなきゃ、ふっ、拭かなきゃ~~~~~~!!

最悪なことに綺麗な水が噴き出したのではなく、生活排水・・・。
砂利まみれの茶色い排水が、私達・壁・床を容赦なく汚染してゆく・・・(゚〇゚;)

水を止めるために業者のお兄さんは必死。
私は大家さんと共に、水浸しの床を一心不乱に拭きました。
もう、それは命がけで・・・。

すると、
「ビリッーーーーーーーーーー!!」

ズッ、ズボンのお尻が破けたぁーーーーーーーーーーっ(゚〇゚;)

去年、縫い子さんに特別にあつらえて作ってもらった、
ふかふかの冬用のズボンがぁーーーーーーーーーー!!

ドッ、ドリフか、これはぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!

もしも今日、『世界お笑い選手権』があったら、
私は間違いなく、優勝していたに違いない!!(笑)

格闘の末、水は止まったものの、床は水たまり状態。
取り付けに2~3時間で終わるはずが、合計5時間の大労働に・・・。

無事に水ははけ、幸いなことに下の家には水漏れはしてなかったので 、
良かった、良かった・・・と思いきや、
業者の兄さん方の足跡が床の所々に・・・・(゚〇゚;)

そうなんです。
モンゴルでは業者の人達は土足で家に上がってくるんですね。

以前も『靴は玄関で脱いで入ってくれ!!』・・・と言ったのですが、
『だったらビニール袋を持ってきてくれ!!』・・・と言われるのがオチで。
そのビニール袋を靴カバーにして入ってくるわけです。
そんなに靴を脱ぐことが面倒なのかなぁ(><)

更には一心不乱に床を拭いていたので気付かなかったのですが、
気付けば床を拭くのに使ったタオルが、
つい最近父が送ってくれた新しいバスタオル数枚だったわけで・・・。

クマのプリント付きのバスタオルだったのに、
今ではどこにクマがいるのか分からない、哀れな姿になってしまい・・・。

うぅっ・・・。
うぅっ・・・。
おとん・・・ゴメンネ(><)

これから床・壁磨き、汚染した衣類の洗濯・・・。
明日の朝には終わりますように。

なので、今日くらいは泣いてもいいですか?ヾ(>y<;)/

2010年2月24日水曜日

大絶賛

2月から開催し、そろそろ終了に近づいている『インサイト(点滴留置針)挿入・固定法セミナー』

このセミナーで大いに意見が飛び交ったのが、
なんと2枚だけこっそり日本から持ってきた医療用テープ。
右はモンゴルで使われているインサイト(留置針)です( ´ー`)ノ






▲このテープは留置したインサイトという針を写真のように固定するテープなんですが、
勿論モンゴルにはないわけで、参考までにこのテープを見せたら物凄い歓声が!!

『これはなに!?』

『こんな凄いテープがあるの!?私にもよく見せて!!』

『うわぁ~、このテープがあったらどんなに便利かしら!!とっても簡単!!』

『しかも滅菌されているテープなのね!!』

『院長に買ってもらえるか聞いてみようよ!!』

『やっぱり日本って凄いわね~。日本は裕福ね~!!』・・・等々( ´―`)ノ

▼モンゴルでは写真のように、先ずインサイト(留置針)を挿入したあとに、
血が逆流してこないように蓋をします。
(セミナーをするために、実際に腕を貸してくれた、ICUナースのサンサルさんに本当に感謝です☆)



▼滅菌ガーゼをカットして、アルコールを染み込ませる→そのアルコールを染み込ませたガーゼをあてがう→そのガーゼをテープで留める→更に包帯で留める・・・といった固定方法。






とにかく手間暇かけてます(><)

日本は簡単。滅菌済みのテープを貼るだけでいいんですから。
しかも物品倉庫にわんさか溢れてる。
必要な物に溢れ、どれだけ恵まれた環境で働いていたか・・・。

持ってきた2枚のテープ。
みんな大事に、大事に扱って見てました。

私、日本で働いていた時、そんな大事に扱ってなんかなかった。
だって・・・沢山、沢山あったから。
あぁ、なんて恥ずかしい・・・。

彼女達だったら、どんなに大切に使ってくれるだろうか・・・。

徹底!!

またもやモンゴルでは季節型インフルエンザ(B型)が流行しているらしく、バタバタとスタッフ(特に子供らしいのですが)が体調を崩し、入院したり自宅で休んでいる状態です・・・(><)

なので今週はじめから、活動先の病院では張り紙が沢山!!

どんな張り紙なのかと言うと・・・
↓この写真は内科外来のプレート
(『Дотор』はモンゴル語で『中(なか)』と言う意味なんですが、病院では内科になるんです♪)



↓内科外来の診察室のドアなんですが、一番右側の張り紙を拡大すると・・・




↑分かりやすく訳しますと、
『マスクをつけていない人、
コート類を病院入り口のクロークに預けてない人は診察しません。』・・・と書いてあります。
↓更にこの写真。これは内科病棟の朝のカンファレンスなんですが、
師長さんが日勤のナース一人ひとりの熱を測ってノートに記載してるんです!!


凄い徹底ぶりですよね?

日本でもここまでしません(><)

ですがここはモンゴル。
去年モンゴルにおいても、新型インフルエンザで亡くなった方達が数十人いましたし、
欲しくても全く手に入らなかったインフルエンザワクチン。(日本もそうでしたが・・・)
そんな医療従事者用のインフルエンザワクチンが先月届いたばかり。
ウィルスも生き延びるために種類を変え、時には形を変え必死。
でも!!人間だって負けてられない!!
みなさん、手洗い・うがいはこまめにしましょう( ´ー`)ノ
最後に・・・
日本から持ってきた3本のうがい薬の2本目が、今日切れました(><)
うがいしすぎ?
それともモンゴルの乾燥のせい?
でも、今日もガラガラ。
うがい娘の奮闘は続く(笑)

2010年2月19日金曜日

金メダル

師長さん達が昼から帰っていく中、ひたすら仕事をしている人達がいます。

それは院内の清掃員の方達。

活動先の病院はとにかく綺麗。




清掃員の方たちが毎日・毎日、廊下・階段・手洗い場・・・と隅から隅まで丁寧に掃除しているからです。 階段の1段・1段、全て雑巾で拭いているんですよ!!

彼女達の働きぶりには本当に関心させられます。

以前患者さんの歯磨きをした際、誤って床を水浸しにしてしまったんですね。
あわてて拭こうとしたら、

『あや!あやが拭かなくていいの!!』

・・・と、タオルを持って床を拭こうとした私の手を振り払い、
水浸しになった床を、一生懸命モップで拭いてくれました。
それも、笑顔で・・・。

そうなんです。
活動先のスタッフは嫌な顔をせず、愚痴もこぼしません。

特に彼女達はいつも笑顔でお仕事。
丁寧に、丁寧に拭いてくれています・・・。

私は彼女達の笑顔が大好き。

是非このブログで紹介したくて、
『みんなの写真、撮ってもいい?』と聞いたら、

『モー!モー!(ダメ!ダメ!)こんな掃除しているところ撮らないで!!』

『掃除しているところじゃなくて、あなた達の笑顔!!』

『だめよ~。私達、モー(悪い)だから!今日はお化粧してないし、太ってるし!!』

・・・って、そこ~~~~!?

綺麗に着飾ってる姿じゃないと、なかなか写真を撮らせてくれないモンゴル人女性。
だから上の写真は、こそ~っと撮ってしまいました(≧∇≦)
わが活動先は国から表彰を受けたり、医師・看護師達も院長から様々なシャグナル(表彰・褒美)を貰っているけれど、私は彼女達こそ沢山のシャグナルを貰うべき!!・・・と思っています。
彼女達の働きぶりは金メダルもの!!!
いつも気持ちよく働けるのは、彼女達のお陰です。

そんな彼女達の笑顔を、絶対撮るぞ~ヽ(´▽`)/

旧正月明け

久しぶりの更新です。
仕事始めから既に3日・・・。

・・・と言うのも、2月14日から16日までモンゴルは旧正月でした!なので活動もお休み。
モンゴルではこの旧正月に家族や日頃親しくしている人の家を訪ね、新年の挨拶をします。

ボーズ(蒸し餃子)と様々なモンゴル料理、馬乳酒・ウォッカ・ホットミルクなどなどのもてなしを受け、帰り際にはお土産(お菓子・靴下・寝巻き・・・等々)をいただく・・・といったしきたりが繰り広げられます。

↓先ずは新年のご挨拶。職場の同僚のお父さんデス( ´ー`)ノ

↓手前のお皿にあるのがボーズ。1口サイズで食べやすい、肉汁たっぷりの蒸し餃子です☆
今年は3件のお家を回り、合計30個頂きました( ´ー`)ノ


↓『オーツ』と呼ばれる、お祝い事には欠かせないモンゴル料理の一つ。
解体した羊1頭を骨付きのまま煮たものです。


↓ご家族全員と一緒に♪


そんな旧正月が明け、
『仕事始めからセミナーだ!!頑張るぞ!!』
・・・と思い準備をしていたら、
『あや、今日はバヤリーンウドゥル(ここでは”年明けの挨拶の日”と訳しますね( ´ー`)ノ)
だからセミナーはないよ!!急いで家からデール(モンゴル衣装)を持っておいで!!』と・・・。

旧正月明けの早朝、病院の“新年のご挨拶”パーティーに参加。
↓院長・副院長・主任さんと
いつカメラマンに転職したのか!?・・・と思うくらい何枚もの写真を撮り、
更にはこれから仕事だというのにアルコール40度近いモンゴルウォッカを飲まされ・・・
そして、スタッフはお昼ごろに仕事を切り上げ帰っていきました(笑)
モンゴル人はお正月が明けても、初日はなかなか仕事モードにならないのね・・・と関心?しながら、
『でも、明日こそは仕事モードになるはず!!』
・・・と信じていた私の期待はもろに打ち砕かれました(笑)

2日目が経ってもお正月ムードは抜けない・・・
昨日も『昼から友人の家を訪ねる!!』・・・と言って、師長さんは嬉しそうに帰っていきました。

『えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』

同期隊員情報によると、今月いっぱいは旧正月だそうで・・・。
その事を父に話したら、
『のんびりしてるねぇ~。逆に日本人がせかせかしてるのかもね!』
・・・と笑ってました。
日本にいた頃は、大晦日もお正月も関係なく慌しく働いてた私。
今過ごしているモンゴルでの時間は、神様がくれたご褒美かな( ´ー`)ノ☆

2010年2月13日土曜日

生んでくれてありがとう

今週、バガノールに新隊員が2名もやってきましたぁヽ(´▽`)/

先輩隊員・同期隊員を含めて全部で5人!!
今年のバガノール、かなり活気付いてます(笑)

なので、今日は我が家で新隊員さんの歓迎会を開催!!

『バガノールにいらっしゃ~い!!みんなで頑張っていこうね!!』
・・・と乾杯し、盛り上がっていた中盤。。。

『ハッピバースデートゥーユゥー♪ハッピバースデートゥーユゥー♪・・・』
・・・と、どこからかオカリナに合わせて歌が聞こえてくる・・・。
ふと、その歌の聞こえてくる先に目をやると・・・

そこには手作りチーズケーキを持っている先輩隊員Aさん!!

おまけにそのケーキの上には、『HAPPY BIRTHDAY』って形のキャンドルまでささってる!!

更にバッグには同期隊員のSちゃんがオカリナを吹いてくれてて・・・(≧∇≦)

『!!!!!!!!!!』

私事で大変申し訳ないのですが、来週誕生日なんですね(><)
その事を二人は覚えていてくれて・・・。

覚えていてくれただけでもありがたいのに、一生懸命今朝からケーキを焼いてくれていたらしく・・・。

何年ぶりだろう。手作りケーキなんて。
おまけにバースデーキャンドルを吹き消すなんてことも。



感動してしまって、言葉が出ない。

『あやさん、はい、これ!!』

更に手作りバースデーカード♪
カードには新隊員さんからのメッセージも書いてある。



『一体、いつ書いたんだろう・・・まだ彼女達ここに来て5日しか経ってないのに・・・(><)
密かに打ち合わせして書いてくれたんだろうなぁ。ありがとう、ありがとうね。』

更に同期隊員Sちゃんお手製コースターとハート型のストラップのプレゼント。
彼女らしい優しい作品。彼女らしい可愛い刺繍。


幸せの波が次から次へと押し寄せてくる。
本当にありがとう。
私はなんて幸せ者なの。
沢山の感謝を伝えたいのに、いい言葉が浮かんでこない。

『ただただ、ありがとう。
支えてくれるみんなに感謝します。
そしてこの感謝の気持ちを、またみんなに返していくね。 』


誕生日は生まれてきた事を祝うものだけど、生んでくれた母親に感謝する日でもあるかもしれません。
そして、沢山の喜びを知るために、人間は生まれてくるのかもしれないですね。

2010年2月12日金曜日

3分の1

入院している患者さんにとって、1番欠かせないものって何でしょう?

きっと色々な答えが返ってくると思いますが、今回は『病院の中にある物』限定で。

今日はその『欠かせない物』の中で、ダントツの『ベッド』について発信したいと思います。

活動先の病院のベッドは、ご覧のようにかなり年期の入ったベッド。
↓鉄製のスプリングの上に固い板。その上にぺっしゃんこになった布団。
中には板さえ引かれていないベッドも・・・。
ボルトも劣化し、今にも壊れてしまいそう・・・。

『こんなベッドで怖くない?痛くない?ちゃんと眠れる?』・・・と聞くと、
『大したことないわ。大丈夫。』・・・と少し悲しげに笑う患者さん。
この時、私にはとても悲しげに見えたんです・・・。
ひょっとしたら、こんな質問するべきじゃなかったのかな・・・。
発展途上国、モンゴル。
買いたくても買うお金がない。
そのことをモンゴル人は痛いほど分かってる。
この写真は先日小児科で出会った、患児とその付き添いのお母さん。
一見、普通の病室に見えるこの写真。
でもふと目線を他にやると・・・
これ、なんだか分かりますか?
実はここ、小児科病棟にある調理室なんです。
(今は使われていないですけどね)
小児科病棟はベッドが25床。
ですが冬は-30~40℃になるモンゴル。
冬季になると季節柄もあり、
『風邪・肺炎・気管支炎・気管支喘息・・・』などの疾患で沢山の子供が入院を強いられ、あっという間に満床(ベッドが埋まってしまう状態)になってしまうんです。
この写真を撮らせてもらった時は、患児数42人。
とうていベッド・部屋数が足りません。
ベッドは何とか離れの病棟から借りてきたものの、部屋数だけはどうにもなりません。
なので已む無く『調理室』に入院するはめに・・・。
人生のうち、『3分の1』が眠りにあてられていると言われていますよね・・・。
そんな中、病気のせいでしたくもない・慣れない入院生活を強いられている患者さんだからこそ、安心して眠れるベッド・環境を提供したい。
模索する毎日は続く・・・。

2010年2月11日木曜日

リサイクル

ここ数日風邪で寝込み、モンゴル医療事情レポートから遠ざかっていたので再び復活です!!
(お陰さまで私も何とか復活しました(笑))

早速ですが、この写真はわが活動先の病室の写真です。
この写真を見て、何かが足りない・・・。

そうです。病室ではお馴染みのカーテンがないんですね。
処置をする時も、着替える時も、何をするにしても全て丸見え。

『モンゴル人は気にしないのよ~』
・・・なんてスタッフは言ってましたが、やっぱり着替える時は恥ずかしい・・・と思うモンゴル人も多少なりともいる訳で・・・。

以前はこの病室の窓のカーテンすらなかったんです。
この写真だと分かりにくいかもしれませんが、現在は小さいながらもあるんですよ( ´ー`)ノ
じゃぁ、この窓のカーテンはどうしたのか?

先ずその前にこの写真を見てください!!



これ、点滴ルート(使用済み)の残骸の山(TOT)

最初この残骸を目にした時は、

『こんな使用済みの点滴ルートを何に使うの?まさか、また消毒して患者に再利用!?』
・・・と恐怖におののいていました。

『患者に再利用なんて・・・何が何でも阻止しなければ!!』

ですが、すぐ私の勘違いが判明しました。
そうなんです。お手製のカーテンを作るために必要だったんですね。
カーテンレールとして。

スタッフが古い布を持ちよってチクチク縫って作ってたわけです。
そのカーテンが窓のカーテンなんですね。
モンゴル人の工夫には毎回関心させられます。

日本の病院ではカーテンは殆ど外部業者が担当。
定期的にクリーニングに入ってくれますし、いつでも清潔な状態。

カーテン一つにしても、日本って本当に恵まれてる・・・。
ないものをどうやって生み出すか。

モンゴルに来たことで、あらためて学ばされることが沢山あります。

2010年2月8日月曜日

お金じゃ買えない風邪薬

先週初め、モンゴルに来て初めて体調を崩し、とうとう金曜日にダウン・・・(><)
風邪薬を飲み、寝込む週末。
だからといって、すぐ良くなるわけでもなく・・・。

週末は久しぶりに大雪が降り、外は見るからに寒そう。雪も沢山積もってる・・・(><)

身体は熱いし、喉は痛いし、だるくて何もできない・・・。

そんな時、オドさん(大家さん)から1本の電話が・・・。

『あや!!元気にしてる?今、何してるの?』

『オ・・・オドさん。私、風邪を引いてしまって・・・ゴホッ。』と声が別人みたいな私。

すると、
『やだっ、風邪引いたの?
薬は飲んだの?
食事は食べれてるの?
今、家なの?家にいるのね!?
じゃぁ、待ってなさい!!』

ガチャッ、プーッ、プーッ・・・。

確認も出来ないまま突然電話を切られ、更に朦朧とする私。

しばらくすると我が家の玄関を叩く音。
ドアを開けるとそこには大家さんが!!

『あや!!これを食べて温まりなさい!!』
・・・とモンゴル料理「バンシタイ ツァイ」をタッパーに入れて持って来てくれたんです( ´ー`)ノ
しかも出来立て・・・。
モンゴルの代表的な飲み物、スーテーツァイに水餃子が入った感じのお料理です♪

日本に住んでいた時の大家さんも優しい人だったけど、
『人が困っていたら、助けてあげたいの。力になりたいのよ。』
・・と言ってくれるモンゴル人も、とても優しい心の持ち主です。

更にその後、同期隊員Sチャンが肉じゃがを作って持ってきてくれてたんです。
わざわざ雪積もる道の中・・・。
肉じゃがの他に私の大好きなチョコやりんごも持ってきてくれて。

キットカット(しかもダーク味)が大好きなんですね、私(≧∇≦)
一人暮らしをして体調を壊すほど辛いものはありません。
しかもここはモンゴル。

でも、大家さん・同期の二人から物凄い効果のある風邪薬をいただいたような気がします。

だって昨日までPCの前にも座れなかったのに、今日はこうしてブログを書くことが出来るからヽ(´▽`)/

『人は人によって生かされる』
『人は人によって癒される』
『人っていいね、ありがたいね。』

あらためてそう思った週末でした。

私を支えてくれる全ての人に、心からのありがとうを。
日ごろの感謝をみんなに伝えたい、そんな月曜日です。。。

2010年2月4日木曜日

踊る

明日からの新たなセミナー開催に向けて、午前中に副院長さんにパワーポイントのチェックをしてもらいました。
副院長さんは『技術・質向上』に携わるマネージャーさんでもあるんですね。
なのでこの関門を通過しないとセミナーが出来ないわけで・・・。
←ちなみに、この方が副院長さんです^-^

その際かなりの誤字・脱字のご指摘があり、とても恥ずかしかったんですけど(><)、
『あや!これはとても素敵な資料ね!!』とお褒めの言葉をもらったんですヽ(´▽`)/

褒められて物凄く嬉しかった私は、一緒に資料を作ったICU師長さんに早速報告。
『アルターさ~ん!(←ICUの師長さんの名前デス)
今さっき副院長さんに褒められたよ~!!』

・・・とまるで幼稚園児がお母さんに言うかのように・・・(笑)

そしたら!!
アルターさんがつぶやいた。

『ねぇ、あや。私達で1冊の本を作らない?今後私達、沢山のセミナーをする予定でしょ?
セミナーだけで終わらせるのは勿体無い気がするの。これだけの写真を使った看護技術マニュアルがあったら、とてもいいと思うのよ。』

そのつぶやきを聞いた途端、私の心は躍ったヽ(´▽`)/
日本のように選ぶのに迷ってしまう程の看護雑誌は、モンゴルでは微々たるもの。
モンゴルの看護技術マニュアルは文字だらけで分かりにくい。
たとえ写真が掲載されていても、白黒・・・。
しかも現在院内にあるマニュアル内容はちょっぴり古い。いや、結構古いかな(><)

『誰にでも分かりやすい看護技術マニュアル本を作る=(イコール)患者さんに安全・安楽な入院生活を提供できる』

そうとなれば、俄然燃えてきました(≧∇≦)
アルターさんの提案のお陰!!

また1つ素敵な目標立案です♪
『年内中にマニュアル本を作るぞぉ!!』
・・・と言っても、先ずは本ってどうやって作るのかな・・・。
1冊作るのに費用はどれだけかかるんだろう・・・。
日数もどのくらい必要?

先ずはそこからリサーチですね(笑)
これから毎晩、本が完成するのを想像しながら眠ることにします( ´ー`)ノうふ・・・


アンパンマン

1月から9回にわたる『心肺蘇生法セミナー』を行ってきましたが、とりあえず今日で終了!!
最初は自分のパートのセリフがなかなか言えず(まぁ、そのお陰で場も和んだのですが(≧∇≦))、今後誰もセミナーに来てくれなかったらどうしよう・・・と不安でした。
ですが、ICUの師長さん・主任さんが毎回助けてくれたお陰で、院内全ての看護師さん達が参加してくれ、無事やり遂げることができました!!
それと、このお人形さん達にも助けられました。

ICU師長さんの娘さんからお借りしました♪
年末、セミナーのパワーポイント資料を作り終え、自信満々で看護部長に見せたところ、
「あや、乳幼児の場合の資料がないけど、どうするの?乳幼児の心肺蘇生法も組み込めない?」と言われ、急遽このお人形を使ってセミナーをしたからなんですね。

←このような感じで使用しました♪

あ、それと忘れてはいけない、
『アンパンマン』の曲にも救わたんです( ´ー`)ノ

『なぜ?』と思った方!!説明しましょう!!(笑)

心臓マッサージって1分間に100回のリズムで行うのがベストなんですね。
ですが病院にメトロノームがあるわけもなく、
『1分間に100回のリズムってどんな速さ?』と首をかしげる看護師達。

そこで思い出した!!
『アンパンマン』の曲がちょうど1分間に100回のリズムであることに(≧∇≦)

日本で心肺蘇生セミナーのインストラクターをしていた時も、
『アンパンマンを歌いながらやりましょ~!!』
・・・なんて言って教えてたんで( ´ー`)ノ

ICU師長・主任にセミナーの時にこの曲を実際にかけていいか・・・と聞いたら、
『ボロノー!!(いいよ!!)』と即答(笑)

今日は最終日。
普段より大きな音量で『アンパンマン』かけちゃいました☆

でもその効果?か、
みんなで心臓マッサージしてくれてますヽ(´▽`)/

早速明日からは『インサイト(点滴の際に使われる留置針)挿入セミナー』を開催予定。
1ヶ月1テーマのセミナーを行うための準備は正直大変ですが、
必ずセミナーが終わったときに言ってくれるんです。
『Bayarlalaa(ありがとう)』・・・と。
その言葉が私の原動力。
『ありがとう』・・・という言葉は魔法です。
たとえモンゴル語であっても。

2010年2月3日水曜日

七色


先週日曜日。
モンゴル・ウランバートルにて嬉しい『集まり』が。。。(´▽`)/

今回、JOCVモンゴル隊員『医療分科会』が発足し、第1回目の会が開催されたからです♪

今まで看護師隊員が私一人しかいなかったのですが、今年に入り看護師隊員が3名も増員!!
『医療分科会』に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・養護隊員が加わり、総勢12名と心強い大きなものに。

そして、この分科会を
『солонго~虹の架け橋~』と呼ぶことになりました( ´ー`)ノ
(『солонго』はモンゴル語で『虹』のことなんですね)

今年の目標は『虹』を見る!!・・・だったので、なんてタイムリーなネーミング。

去年の目標は『土を耕す』でした。
種を植えるための必要な作業。

『どんなに辛くても笑顔だけは絶やさずに。

そして元気に挨拶をする。

活動先の人達を知る。

そして、自分を知ってもらう。』

4ヶ月あまりに渡る作業を終え、
今年は活動先の人達とどんな種を蒔いて、どんな花を咲かせるか。

たとえ花が咲かなかったとしても、小さな芽だけでも出てくれれば。
その先に『虹』を見れれば。

『虹』を見るには必要なものが2つ。

『水』(困難)と『光』(努力)

『雨(水)』 ⇒なぜなら虹は「困難なこと」の後にしか見ることができないから・・・( ´ー`)ノ

雨は一人だけに降り注ぐものではないから。

だから大丈夫。きっとうまくいく。

知恵

今日は充実した1日でしたぁ~ヽ(´▽`)/
午前と午後にセミナーをしたりと忙しいのもあったのですが、モンゴルに来て初めて患者さん(意識のない・重症の方)の歯磨きができたからなんです!

私、患者さんを綺麗にするのが大~好きなんです♪

昨日、『あや、良かったら清潔ケアを看護師達に教えてくれない?』とICU(集中治療室)の師長さんから頼まれ・・・。
活動先のICUは立ち上げてまだ1年未満の病棟。なので重症の患者さんのケアの仕方を看護師達はよく知らないんですね。(まぁ、私も偉そうな事言える立場でもないですけど(><))

モンゴルでは写真のように木べらにガーゼを巻き、そのガーゼにイソジンを含ませてチャチャッと口腔内を拭う方法。

回数は1日2回。
歯磨きは1度磨いても磨いた時の綺麗な状態を保てるのは6~8時間が限度と言われていて、6~8時間経てば元の状態に戻ってしまう。
特に重症の患者さんは口からものを食べることが出来ないので、唾液が分泌されず細菌増殖を助長させてしまう。
その細菌が肺炎を起こしたり、その他感染症を引き起こしたり・・・。
特にICUなど重症患者さんがいる病棟は口腔ケア(歯磨き)が大切なんですね。
そして1日に最低3回必要!!

ドキドキしながらICUにいる重症患者さんのお口の中を拝見。

『うわぁ・・・。1日2回拭うだけだから、物凄く汚いなぁ・・・。口の中がカピカピ。痰がこびりついてる・・・。うぅ~、この口の中を綺麗にしてあげたい!!』

私の『患者さん綺麗好き魂』に火が着いた!!

でも、いざやろうとしても歯を磨くための物品がない。
まず、肝心の歯ブラシ・歯磨き粉がなく、口をゆすぐための水のみもない。
ガーグルベースン(ゆすいだ水を受け止めるお皿・・・と言えば伝わりますかね?)もない。
歯磨き後に口を拭うタオルもない。
乾燥防止口腔用ジェルもない。(ま、これは仕方ないと思いますが(><))

ない、なさすぎる・・・。
でも!だからと言って引き下がるわけにはいかない。
何が何でも磨きたい!!

家族に歯ブラシ・歯磨き粉・タオル・できたらワセリンを家から持ってきてくれないか・・・と頼んだら、
『オドーホン!!(今すぐ!!)』と言って、すぐ家から持ってきてくれました!!

家族を思う気持ちはどの国も一緒なんですね( ´―`)ノ

さぁ、口腔内をすすぐための水のみはどうしよう・・・。
『!!!』
その時、いい考えが思い浮かんだ♪
これ、なんだか分かりますか?
そう、使い終わったエコージェルの空瓶!(柔らかいプラスティック製)

去年、『これ、何かに使えないかなぁ・・・。』と検査科の方に幾つかもらっておいたんです( ´ー`)ノ
エコー検査する前にジェルを塗りますよね?(エコー検査をしたことがない方、分からなくてゴメンナサイ(><))
その時に使うものです。

これに水を入れてボトルの脇を押せば、先からチューっとお水が出る!!
よし!!!吸引器もあるし準備OK!!

『どうやるの?どうやるの?』 ・・・とICU看護師達が群がる。

『簡単だよ!こうやって歯ブラシと歯磨き粉があれば充分きれいになるんだよ!口が開かない場合はこうやってガーゼを噛ませてしまおう!!こうやって水を流して・・・。』
このような感じで、磨きながら指導させてもらいました。勿論ご家族了承の元で撮影しています(*^.^*)
歯磨き終了後は、ご家族が持ってきてくれたワセリンを乾燥した唇にひと塗り。
わぁ~い!!口の中も唇もピカピカヽ(´▽`)/
『え~、こうやってやるんだぁ!!』 
『簡単なんだね!!』
『ちょっとした工夫でこんなに綺麗になるんだね!!』と大絶賛。

いやぁ・・・普通だよ・・・普通~(><)・・・と照れてしまいながらも物凄く嬉しかった私。
だって、いつも患者さんの傍らで悲しそうな顔しかしていなかった娘さんが、
この時ばかりは『あや、ありがとう。』と笑ってくれたから・・・( ´ー`)ノ
こちらこそ、『ありがとうございます』・・・です。
患者さん、家族と関わる喜びをモンゴルで体験できるだなんて。
物が足りなくても、工夫次第で看護ケアはできる。
患者さん・家族から笑顔がもらえる。
やっぱり私はこのフィールドが好き。