2010年12月11日土曜日

JICAセミナー 2010冬

先月、ボランティア隊員が首都に集結し、
『JICAセミナー』と題しモンゴル人対象に6日間にも亘るセミナーを行いました。

目的として、以下3つ。
1) ボランティアの専門分野の知見を、配属先以外にも広くモンゴル人に伝え、モンゴルにおける当該分野の発展に寄与する。
2) 同職種、または幅広く、JICAボランティア間の連携を深める。
3) カウンターパートや配属先の同僚と共にセミナーを行うことで、当該者間の連携を深める。

構想期間、約半年。

JICAセミナー委員も並行して行っていたので、毎月首都に上京するのは正直大変でしたが、その分他職種のボランティア隊員との団結も深まっていいものが出来上がったと思っています。

任期中、こんな大きなセミナーをするのは最後。
欲張りな私は『応急処置法』『看護過程』の2コマを担当させてもらいました。

運命の11月24日。
午前中は同期の体育隊員と共にスポーツ紹介の後に『応急処置法』。
かなり楽しく行えたので、メンバー全員いい笑顔。

真ん中はモンゴルに来て初めてできた友人ナナ。今回通訳として頑張ってもらいました。


午後は看護系隊員による『看護過程』セミナーを開催。
『看護過程』
は、看護ケアを必要としている患者や病人に、その人に可能な限り最良で、最善のケアを提供するためにどのような計画、介入援助が望ましいかと考え、計画、行動していく一連の思考と行動の経緯のことです。

このセミナーを行うにあたり、モンゴルにて『看護過程』のニーズがあるのか。
日本で行われている『看護過程』は果たして受け入れられるのか。
看護系セミナーは赴任してから初めての試みであり、言い換えれば挑戦でもありました。
なぜならば、日本で取り入れられている『看護過程』とモンゴルで現在取り入れられている『看護過程』には多少のズレ(遅れ)があり、モンゴル人が“日本人と看護過程について学びたい”。
いや、
それよりも看護過程と言うものに関してそもそもニーズがあるのかも不明な点であり、当初は40人定員としていたんです。

最初は来場者人数が全く読めない状態でしたが、実際は110人もの医療職の方々が足を運んでくださり、とてもニーズの高いものだと改めて感じ、今後も必要なテーマであると確信しました。

『看護過程』はモンゴルに入ってきてから10年ほどしか経っておらず、
まだまだ浸透されていないのが現実。わが活動先バガノールでも導入して5年しか経っていない。
そのため、「患者のためのもの」であるものが、未だ「看護師のためのもの」となっており、看護師の仕事の評価基準の手段として使用されているため、患者さんに還元されていない。

しかし、セミナーの際のグループワークでは沢山の意見が飛び交い
(生憎手元に写真がないため伝わりにくいのが残念ですが(><))、
『看護計画は患者を主語にした目標を掲げるからこそ計画が生きてくる・・・』
そういった私達の講義を真摯に受け止めてくれたモンゴル人は、まだまだ向上できる可能性を秘めていると感じました。

ある意味、術を知る機会がないから「看護師のためのもの」に留まってしまっているのだと思う。今回のセミナーを通じて、実施したテーマはニーズに適していたものであり、今後も継続していく上で更に大きな成果を果たせるのではないかと考えています。

セミナー終了時点で、『是非私達の病院に来て講義をして欲しい』と言った要望が聞かれ、今回通訳を引き受けてくれた看護大学の講師も
『ならば是非私達も手伝いたい。
看護過程はこれからもっと必要になるから。』
・・・と私達のサポートも意欲的。


今後の課題は一生懸命作成した資料を今回のセミナーだけで終わらせず、
『看護過程セミナーキャラバン』と題し、看護系隊員と共に首都の病院から巡回するといった事をやっていきたいと考えています。

毎回感じる事ですが、大きな事を成し遂げるためには決して1人ではできない。
仲間が1つの目標に向かって力を合わせる事で、とても大きな力になる。

▼看護系隊員と今回セミナーを手伝っていただいた、
デーギーさん、バサー、ツェツェゲー。


みんな本当に有難うございました!
そしてこれからも頑張ろうp(^-^)q

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